当団について

慶應義塾高校・慶應義塾女子高校ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ(以下・高校ワグネル)。単なる高校のいち部活ではあるものの、私達の音楽の原点は、そこにあります。
2020年3月に予定されていた高校ワグネル第60回定期演奏会は、新型コロナウイルスの影響を受け、中止を余儀なくされました。仲間と笑い、時にぶつかりながら、偉大な作品たちや、かけがえのない仲間たちと向き合い目指した私達の「夢の舞台」が、本番まであと1ヶ月という場面で散ってしまいました。
それでも、あの頃燃やしていた魂は私たちの心に今も生き続けています。青春をまるごと懸けて目指した芸術劇場のステージで、あの頃ひたむきに挑み続けたプログラムを演奏するため、この度新しいオーケストラを結成することとなりました。
若者が困難を乗り越え、「夢」を手にする瞬間に是非ご期待ください。


代表挨拶

 

私たちは本来2020年の3月19日に行われるはずであった定期演奏会に向け、約一年間大切な仲間たちと絆を深めながら練習に励んで参りました。しかし新型コロナウイルスの大流行により我々の活動は停止に追い込まれ、遂に目標を果たすことが出来ずに高校を卒業、私たちはやるせなさでいっぱいでした。

 

それでも失われた演奏会を取り戻すため私たちは再び立ち上がりました。現在、一年越しに行われる演奏会を成功させるため、日々練習に励み準備を進めているところでございます。

 

ぜひ、私たちの熱く思いのこもった演奏にご期待ください。

代表 田中 雄大

正指揮者挨拶


自分たちの3年間の締めくくりであった定期演奏会が中止となり、希望を失い途方に暮れていたあの時、ふととんでもないアイデアが脳裏をよぎりました。それが他でもない、「新しいオーケストラを作る」ことだったのです。しかしながら、その試みは自分にとって未知への挑戦であり、決断には相当な覚悟が必要でした。そのような中でこの決断に踏み切ることができたのは、皆様から頂いた温かいお言葉と、なによりどんなときも私の背中を押してくれる、最高の仲間の存在のお陰にほかなりません。

 

オーケストラは、人類にとって最高の贅沢品だと私は信じています。かつての先人たちは数多の困難に直面した際に、音楽にすがり、音楽を信じて強く生きてきたのです。今こそ、私たちの前に立ちはだかる大きな壁を突き破るために、音楽の力を信じるときなのではないでしょうか。

 

当日、プログラムノートで詳しく解説致しますが、今回取り上げるラフマニノフ2番の背景にあるテーマは「苦悩から歓喜へ」であると私は考えます。彼自身も大きな挫折を味わい、自分の手で歓喜を掴み取りました。その状況を私達に重ね合わせ、セルゲイ・ラフマニノフのように強い意志と誇りをもって、素晴らしい仲間たちと歓喜を掴み取るべく邁進して参りたいと存じます。

 

この活動を支えてくださる方々、一緒に夢を追い求める仲間、そしてこのページを訪れてくださった皆様に心より御礼申し上げます。皆様と芸術劇場でお目にかかれることを心待ちにしております。

正指揮者 久保田 誠吾